岩手の現状とWebが切り開く明るい未来について
こんにちは、タケルです。
岩手県花巻市でホームページ制作のフリーランスをしています。ちなみに生まれも育ちも花巻です。
今回は「岩手みたいな地方でWebに力を入れる意味あるの?」という話を書きます。
結論を先に言うと「アナログとWebのかけ算が最強」だと思っています。
楽して稼げる魔法ではありませんが、長期的に考えてもWebの重要度は増していく流れです。
この記事を読んで少しでも「SNSやホームページを始めてみようかな」と思ってもらえたら嬉しいです。
対策しないと衰退するのは確定
岩手のような地方だと、残念ながらネガティブな話題が多いのは確かです。
人口が減っている
岩手県の人口は全国で2番目に速いペースで減り続けています。(ちなみに、1番は秋田です)
2021年の岩手県の人口は約120万人です。
2000年は約140万人でしたので、20年で20万人減少したことになります。
20万人がどれくらいかというと、北上市と奥州市の人口を足したくらいです。
この2つの市に住んでいた人がいなくなったと考えると、相当なインパクトだと分かります。
住んでいる人の絶対数が減れば、お客様の数も自動的に減っていく可能性があります。
全国平均以上の高齢化率
さらに、岩手県の高齢化率も全国平均よりも高く推移しています。
65歳以上の高齢者が人口に占める割合は33%です。
ちょうど3人に1人が高齢者ということになりますね。
家計の消費額は50歳をピークに減少していくので、高齢化率が上がっているということは消費額も落ち込んでいくということです。
今までの常連さんも高齢になれば利用頻度も減っていくかもしれません。
なにか対策を取らないと売上は自然と減っていくかもしれない状況です。
閉鎖的になりがち
現状を打破するために新しいことを始めていきたいところですが、閉鎖的な地域だとそれが許されません。
伝統や習慣を大切にするのはいいことだと思いますが、チャレンジがしづらいというデメリットもあります。
商店街や地域の「重鎮」のような人が非常に保守的で、出る杭は叩かれるような状況になっているのは地方のあるあるだと思います。
人口減・高齢化の対策をとりたい
↓
新しいことに挑戦しづらい雰囲気
↓
やる気のある人ほど都会に移住する
↓
さらに人口減・高齢化が進む
のような悪循環になってしまっているかもしれません。
正直、地方はアナログが強い
高齢化率の高い岩手では、ぶっちゃけアナログな集客手法が強いです。
新聞チラシやポスター
キングコング西野さんのお話で衝撃を受けたことがあります。
地方で講演会の依頼があった
↓
ネットで情報が出てこないので主催者が集客失敗してると思った
↓
ところが当日の会場は満員でチケットも完売してた
↓
どうやって集客したか聞いたら「ポスターです」と言われた
ざっくりまとめるとこんな感じです。(詳しくは西野さんのYouTubeチャンネルからどうぞ)
僕みたいにWeb業界にいる人は「ポスターなんて」と思いがちですが、地方ではこれが現実なんです。
クチコミ・紹介
これは地方に限らずですが、リアルな人脈の紹介が一番強いですよね。
ネットで情報を調べてどうこうよりも、知り合い同士のクチコミや紹介がやっぱり信用できますし。
まして地方だとスマホを使いこなす人の数も少ないので、よりその傾向が顕著です。
Webで発信するよりも、飲みに行って人脈を増やしたほうが圧倒的に効率的なんですよね。
そもそも人口が少ないと宣伝効果が薄い
Webは全世界に発信できることが強みですが、地元の人をメインターゲットにしているお店は世界に発信できてもあまり意味がないです。
通販で全国に販売していたり、わざわざそのお店目当てに遠方からお客さんが訪れる場合は別です。
ただ、ほとんどの地元企業にとったら幅広く発信するメリットはそこまで大きくないのが現実です。
商圏が狭ければ狭いほどWebで広く発信することの魅力は薄れていきます。
ご近所さんが顧客の大半の場合はWebに時間と労力を割くよりも、チラシやクーポン券配って歩いたほうが効果的ですしね。
アナログとWebの掛け算が最強
とはいえ、「Web集客なんてやらなくていい」と言いたいわけではありません。
むしろ逆で、「アナログの集客をサポートするために、積極的にWebを使うべき」だと思っています。
「集客」はアナログで、「接客」はWebで
ほとんどの人がスマホを持っている時代です。
自分から積極的に情報を探す人が少なくても、興味あることを空き時間に調べる人は多いです。
宣伝はチラシやポスターで行い、「詳しくはWebへ」と誘導してあげると見てくれる人は増えそうですね。
たまたま知り合った人に事業の話をして、「興味あったらホームページをチェックしてください」と言えたら購買までつながる可能性が上がります。
従来の「チラシやポスターだけ」とか「名刺交換しただけ」より、Webでさらに魅力を伝えられたほうがはるかに効果的ですよね。
アナログとWebの集客を分断したりせず、むしろ上手に「いいとこ取り」をするのが地方における最強の集客術です。
SNSはクチコミを広めてもらうため
地方では紹介やクチコミが強いと書きましたが、「友だちがSNSに投稿してたお店」も立派な紹介・クチコミです。
むしろSNSのほうがクチコミが広がりやすいです。
例えば飲食店なら「あのお店美味しいから絶対行ったほうがいいよ」なんてよっぽどじゃなければ言いませんよね。
でも、SNSで「今日はこのお店でランチした。とても美味しかった」と投稿してもらえたら、それだけで宣伝になります。
全国に数万人もフォロワーを作る必要はなくて、地元の人だけフォローしてくれればいいんです。
そのうち何人かが来店したり投稿してクチコミを広めてくれたりすれば最高です。
だって何もしなかったらゼロですからね。
その数人から始まって、どんどん輪が広がっていく可能性だってあります。
SNSやWeb集客で大切なのは「どの程度の効果を見込んで、どれくらい労力を割くか」というバランスなんです。
商圏で考えて集客する
人口が減っている地方では、商圏を広げて新規客を獲得していく必要があります。
他県からは集客できなくても、近隣の市町村ならお客さんになってくれそうな人がいるはずです。
例えば花巻に住んでる人が一関で買い物をするとか。
その時に、「よく知らないお店だけど、とりあえず行ってみよう」と思うでしょうか。
ほとんどの人はまずスマホで検索するはずです。
ネットで調べて、良さそうだったら行ってみたり問い合わせをしたりします。
「実際に来てもらえたらお店の良さを分かってもらえる」というのは残念ながらもはや通用しないんですよね。
遠方からの集客はスマホで完結する時代です。
Webはコスパがいいので中小企業向き
Webの最大の強みはその圧倒的なコスパの高さにあります。
予算の限られている地方の企業にとって、このコスパの高さはあまりにも魅力的です。
無料または低額で始められる
Web集客では、SNSなど無料で始められるものがあります。
つまり、とりあえず無料で始めてみて、効果が出そうなら予算を確保して広告を出したり有料プランに課金したりできるわけです。
失敗しても損するのは時間と労力だけで、お金を失わずにすみます。
他にも、Web広告は非常に低額から始めることができます。
ホームページは一度作ってしまえば、好きなだけ情報を発信・更新することが可能です。
Webに取り組んだら、「無料で始めて、様子を見てからお金をかけるか決められる」という後出しジャンケンができるわけです。
情報が自動的に拡散される
インターネット上で情報がシェアされると、いいクチコミが広がるのと同じ効果が期待できます。
SNSがまさにそれで、自分で投稿しなくてもお客様が投稿してくれることもあります。
すると、その投稿を見た別な人が来店して投稿してくれるというループが出来上がります。
また、Googleマイビジネスなどのクチコミ欄にいいコメントを残してもらえれば、それを見た人が「良さそうなお店だな」と来店してくれることもあるでしょう。
こうして「お客さんがお客さんを連れてくる」という理想の状態に近づいていきます。
ホームページもそうですが、ネットであればユーザーが見たいときにアクセスできます。
ホームページが「24時間年中無休の営業マン」と呼ばれるのもこれが理由ですね。
予算的にテレビCMを流したり大量の営業マンを雇えない地方企業にとって、情報が蓄積する・拡散するWebは大きな力になってくれるはずです。
リピート客の獲得に絶大な効果
先ほど、地方の集客手法はアナログが強いと書きました。
しかし、リピート客の獲得に関してはWebはかなり期待できます。
新規とは違い、リピーターは「このお店の情報が欲しい」と自社のホームページやSNSに向こうから来てくれます。
そういう人に対して、営業時間やセール、新商品についての情報などを掲載しておけばリピート率の向上が見込めます。
また、DMを発送するのはお金がかかりますが、メールやSNSなら無料でいつでも配信できます。
「インスタを見たと言ってくれたら20%オフ」のようにキャンペーンとしても使うことができます。
Webで情報発信するコストはとにかく安いので、お客様との継続的なコミュニケーションには強力な武器となります。
Webを活用して地域No.1になった工務店の実例
宮城県の株式会社あいホームさんは、実際にWebを活用して大きな成果を上げています。
Webに取り組んで1年で前年対比130%の新規受注
あいホームさんの取り組みや実績については、こちらの本で詳しく書かれています。
地方の工務店がWebをどのように活用し、具体的にどういった成果が出たのかを詳しく教えてくれるので非常に参考になります。ぜひ読んでほしい一冊です。
簡単に内容をまとめると、以下になります。
- 社長は2020年5月に就任
- ITやネットを徹底的に取り入れる
- コロナ禍にも関わらず前年対比130%の新規受注
- 宮城の県北エリアでは全国企業も含めた総合ランキングでNo.1
社長就任から1年でこの成果は控えめにいって凄すぎますね。
具体的なWebの活用法
あいホームさんは工務店ですが、Webに取り組む心構えはすべての業種に参考になります。
一言でまとめると「すべてのお客様がスマホを持っている前提でサービスが設計されているか」です。
- 自社ホームページのデータは毎日チェック
- ホームページのスマホ表示対応は必須
- 表示速度などの改善点チェックは欠かさない
- 社長・社員ブログで「人」を見せる
- SNSの更新・運用は当たり前
ポイントは、常に更新と改善を続けていることです。
地道にコツコツと努力すれば大きな成果となることが分かります。
ちなみに、あいホームさんでは集客に限らず顧客情報や従業員のスケジュール管理もIT化しています。
こちらもとても参考になりますので、ぜひ本を読んでみてください。
Webの活用によるコストカット
徹底的にWebを活用するあいホームさんですが、コスト的にはむしろ削減できている可能性もあります。
- 50万円で作ったホームページが集客源
- SNSを利用し、従来の広告宣伝費はかけない
- Web集客するので総合展示場には出店しない
- Zoomによるオンライン会議で交通費の削減
- 管理システムはノーコード開発
ノーコードとは、プログラミングの知識がなくてもWebサービスが開発できるという近年話題のサービスです。
こういった新技術を積極的に取り入れて、「まずは自分たちでやってみる」という姿勢が重要ですね。
少ない予算で大きな効果を出すという、Webのコスパの高さを証明してくれいています。
とりあえず無料のSNSから始めてみましょう
ここまでで、Webに取り組むメリットと重要性を分かっていただけたと思います。
実践の第一歩目としては、やっぱりSNSがオススメです。
SNSで発信に慣れることから
いきなり全部をやろうとしても無理ですから、まずは気軽にSNSから始めてみましょう。
- アカウントを作成する
- プロフィールを簡単に設定する
- とりあえず投稿してみる
ここまでで30分もかからないはずです。
投稿の質にこだわる必要はまったくありません。どうせ最初は誰にも見られないので。
あくまでも、「やったことがないことをやってみる」ことが重要です。
投稿を続けていれば質は勝手に向上するので安心してください。
なお、詳しいSNSの始め方や運用方法は「SNSで集客を増やす方法とコツを解説します!【誰でも無料でできます】」で解説しています。
[box06 title=”あわせて読みたい”]「SNSで集客を増やす方法とコツを解説します!【誰でも無料でできます】」[/box06]
SNSが上手いアカウントに相談してみる
もし結果が思うように出なかったりモチベーションが上がらなければ、SNSを頑張っている近隣の会社・お店に相談してみてもいいと思います。
そういったアカウントをフォローして、コメントやDMでコンタクトを取ってみてください。
ライバル会社じゃなければ、きっと優しく対応してくれると思います。
だって同じ地域でWebに取り組んでる仲間ができるのは嬉しいですからね。
こうやってつながりが生まれるのがSNSのいいところです。積極的にこのメリットを活かしてみてください。
結果は出なくてもチャレンジが大切
正直、SNSを始めたら目に見えてお客さんが増えるかといったら、そんなことないと思います。
やっぱり世の中そんな簡単ではないですからね。
継続した努力は大前提ですし、SNS以外のWebサービスも活用して総合的な「稼げる仕組みづくり」に取り組まないといけません。
とはいえ、今からSNSを始めても無駄だということは全くありません。
やるべきことを地道にやり続けることが成果に繋がるわけですから。
- まずはSNS始めてみる
- 慣れるまで投稿を続けてみる
- 慣れたら質にこだわってみる
- それも慣れたら他のWeb集客手法も取り入れてみる
こんな感じで気軽にやってみてください。
やってみたら自然と課題も見えてくるはずです。
そして、その課題をひとつずつ解決していったら、気づけばWebで集客できていたというのが理想ですね。
まとめ
というわけで、以上です。
この記事を読んで、少しでもモチベーションにつながれば嬉しいです。
もし分からないことがあったら、お気軽にご連絡ください!
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